RSS | ATOM | SEARCH
地下水位上昇メカニズムの解明と対策(その2)
前号よりのつづきです。
 かねてより河川改修工事関係者により、地下水位上昇と河川水位上昇との関係が指摘されていました。本ブログ2013.7.29日号「集中豪雨と梯川」の時は、当社付近より上流域の住民に避難指示がだされNHKの午後7時のニュースでも大きく取り上げられました。 このときは、当社付近は河川改修工事により川幅が広がっていたこともあり、破堤はまぬがれましたが、境内には周辺の工事区域よりの排水も進入して、浸水被害が発生いたしました。当社境内への浸水状態は、工事業者各位の協力により排水ポンプを増設して早期に解消出来ました。
 この時の降雨量は7月29日の15時間で200个箸いΔ發里任靴燭、梯川の水位は当社近くの小松大橋にて、降り始めの
TP0.6辰ら15時間後には3.76辰筏涵緇困い燭靴泙靴拭2漆泙呂修了の当社南側の河川水位状況の画像です。

 
   

当社境内の地盤高はおよそT.P.2.2辰任垢ら、地盤高よりも遙かに高い水位となっています。昨年は、この7月から9月初めにかけて降雨が多く、そのため、今年春にかけて地下水位の高い状態が長くつづきました。下図は、神門脇の仮設井戸が掘られた昨年10月9日時点の模様ですが、地盤高より40センチの深さまで地下水位が上昇しています。
 
 
  
 
 下図は、昨年12月の植生専門家による観察会においてとられた画像です。仮設井戸付近において堤脚水路建設のために根切りされた樹木の根の画像ですが、切り口に鼻を近づけると異臭がして、明らかに根腐れがおこっていることが指摘されました。
 
  
 
 
この地下水位上昇状態は本年春頃まで続きましたから、一端、地下水位が上昇するとなかなか排出されないこと、それゆえ、前号のタンクモデルの第二タンクに地下水が滞留すると、おそらくは宙水構造のために自然排水困難になっていることがわかります。それゆえ、この第二タンクに地下水がたまる要因の解明が重要です。

 社務所では、地下水位が平常水位に戻った本年5月頃より降雨と河川水位と仮設井戸の地下水位を観測してきました。その結果、本年8月16日早朝までは仮設井戸の地下水位は地盤高よりも90儖焚爾箸覆辰討い董地下水上昇は観測されませんでした。

 ところが、8月16日午前7時から25時間で累積雨量139个旅澑があり、特に、8月17日の午前5時から7時までの2時間に54个僚乎羚澑がありました。このときの河川水位ですが、降雨前の8月16日午前6時の水位はT.P.69僂任曚槓疹鐃絨未任。そえが、8月17日午前5時の河川水位は1達械境僉午前9時には2m29僉,函降雨前よりも およそ 
1m60僉,皺論鄂絨未上昇しています。
 8月17日の午前9時における仮設井戸の計測結果ですが、地盤高よりも54僂凌爾気泙巴浪漆絨未上昇していました。平常は地盤高よりも90儖焚爾涼浪漆絨未任后90僂箸浪樟澎羝佑凌爾気任垢ら、春以降本日まで仮設井戸に水のたまったことはありませんでした。それゆえ、本年春以降でははじめて観測される地下水位の上昇です。河川水位が境内の地盤高よりも高くなると前号のタンクモデルの第二のタンクに地下水が滞留しはじめると推定されます。いずれにしても、この状態が長く続くと、隣接のタブの木等に再び根腐れの危険がせまってきます。

 これまでの観測結果より、一端、上昇した地下水位は自然排水ではなかなか低下しないことがわかっています。また、以上より、河川水位の上昇と地下水位上昇とは無関係とはいえません。河川水位上昇に堪えうる堤防(輪中堤防含む)構築が河川改修の目的ともなっていますから、今後とも河川水位の上昇は十分にあり得ることです。また、当社の輪中堤工事前に事業官庁により設置された専門委員会でも十分な雨水排水施設の整備が重要であることが結論づけられています。これらの点に留意し、事業官庁では、輪中堤の堤脚に設置される雨水排水路だけでなく、樹木の吸収根の保護空間である地下90僂泙任涼浪漆綰喊紊鯡榲咾箸垢詬孔管埋設を実施することになっています。以下が有孔管埋設の概念図です
 
      
 
こうした堤脚水路が持続可能な維持管理が可能な形で早期に完成すると共に、整備前の過渡的期間における樹木保全、特に、指定文化財神門の塗装劣化等を防止する役目をもはたしているタブの木と社殿を北側からの暴風雪から保護する役目をはたしているシイの木や西側からの暴風雨を防ぐタブの木といった大径木、それに当社の御祭神ゆかりの松の木や梅の木の保全に留意していくことは、当社固有の鎮守の森を保全・育成していくためだけでなく、地域景観保護のためにも重要なことといえます。
 
以上
 
author:bairinnet, category:鎮守の森と河川改修, 16:42
-, -, - -
地下水位上昇メカニズムの解明と対策(その1)
 目下 当社境内周辺では、輪中堤と分水路により境内域を保全しつつ梯川の拡幅を行う河川改修工事が進行中であり、その一環として当社周辺に輪中堤を築く工事が実施されています。
 
    
 
木曽三川地方などでは古くから輪中により集落を水害から守る工夫がされてきましたが、当社の場合は国指定重要文化財の有形文化財だけでなくこれら文化財を長年にわたり風雨雪より保護してきたスダジイやタブの木等の大径木を含む鎮守の森を保全しつつの輪中堤構築です。その意味では全国的にも稀な輪中堤築堤工事といえます。これに加えて、当社境内の地下水が「宙水」とよばれる特殊な地下水体(本ブログ2011.6.10号参照)であることと、輪中堤建設の基礎工事により境内周辺に矢板等が打ち込まれて、境内外に排出しがたくなった地下水が滞留し、滞留した地下水により大径木等の樹木が根腐れをおこしたり、危険を察知した大径木が沢山の花をつけはじめて樹勢を弱め、枯死にいたるおそれが高いことが植生専門家により指摘されてきました(本ブログ号H26.6.4参照)。河川改修工事完了後には排水機場よりの排水が予定されていますが、完成後および工事期間中の植生保護、特に、地域景観にも貢献する大径木の根腐れ等防止策がせつに望まれています。
 本号では地下水滞留のメカニズム仮設の提示と滞留の主たる要因を事業官庁により実施されてきた各種調査資料により説明し、次号において、社務所による観測結果にも依拠して、事業官庁によって計画されています地下水上昇防止策を紹介いたします。
 一般的に地下水の模式図をタンクモデルで図示してみると以下のようになります。
 

 
 
境内の梅園内では地下20僂斑浪45僂療攵躾緤データが観測されています。この土壌水分は地下水面からの高さや表面植生、土壌を構成する物質の粒径等に影響されますが、河川改修前の観測では、20僂45僂療攵躾緤データにはあまり差がありません。そこで、地盤高より地下45僂泙任鯊莪譴離織鵐としてみます。
当社には伝来の井戸が二つあり、平常時には地盤高より地下一辰里箸海蹐肪浪漆緻未あり、昨年秋に神門とタブの木に隣接して設置されました仮設井戸の水位も地盤高より90儖焚爾箸覆辰討い泙后そこで、第二のタンクは深さ45センチから90センチぐらいまでの深さ、第三のタンクはそれ以下の深さとしてみます。
 雨水は第一のタンクに流入しますが、少々の降雨では、排水路から境外に流出するか、ないしは植生等を通じて蒸発散してしましますから、第二のタンクにいくことはないでしょう。降雨が多くなってきますと、地下への浸透量も増加していきますから、第二タンクに流出しだします。ただ、第二タンクに流入しても溜まるとは限りません。河川改修前の当社境内北側には地下90僂茲蠅皺縞に農業用水路があり、そこへ排出可能でした。下記の画像の左側は境内域で、隣接する農業用水路のありし日の状況です
 
 
 
 
また、昭和10年代に築かれました境内南側の河川堤防の下方から河川部への地下水排出も可能でしたから、この第二タンクに地下水がたまることは、近時観測されている植生影響も無かったことからも、なかったといえます。
 平成24年秋より本格化しました河川改修工事、とりわけ、輪中堤構築のための耐震対策工事により当社境内の周囲には矢板が打ち込まれて、農業用水路や河川部との行き来はたたれてしまいました。残る可能性は、樹木の吸収根等からの蒸発散や隣接の地下水層への流出が十分あれば、第二タンクに溜まることはなく、樹木の吸収根等の根腐れがおこる心配はありません。
 金沢河川国道事務所主催の「小松天満宮整備計画評価委員会」は当社の河川改修工事の事前評価を行いましたが、平成21年3月6日開催の第三回委員会において、工事の地下水影響について、「境内の地下水は宙水の可能性が高く、工事の影響は少ない。十分な排水対策が必要」と結論づけています。
 次ぎの画像は当社境内の地質断面図です。
 
  
 
隣接地下水体とは分離独立して局所的に存在する自由地下水体のことを「宙水」とよびますが、独立した地下水帯で他の地下水との出入りの少ない地下水帯のことです。図中 「AS1」で表示される宙水域は、委員会では境内のごく狭い領域と推定されました。東西方向では、もとの梅林院宮司宅の井戸(東井戸)から境内の手水舎あたりぐらいまでの狭い範囲です。これ以外の区域は独立した地下水帯ではありませんから、他の地下水体との地下水の出入りが可能です。特に、第三タンクは河川水位の影響をうけますが、河川水位が高水位まで上がらなければ、第二タンクから第三タンクに流出していくことは可能ですから根腐れはおこらないでしょう。そこで、大事になってくるのが、宙水の範囲がどこまでかということです。
 下図は輪中堤内の近況図ですが、輪中堤の構築や輪中堤内への坂路等工事中で未完成のものも含まれており、臨時駐車場も省略してあります。
 
 
    
 
図中には三色の円形で井戸が記されています。桃色円形は藩政期からの旧宮司宅の井戸(東井戸と略)、赤色円形はこれも藩政期以来使用されてきた神饌所の井戸(西井戸)、黒円形は、本年1月9日付けの当社ブログでも説明しました、昨年末にかけての地下水の異常上昇により新設の仮設井戸です。このうち、仮設井戸と西井戸の地下水位はほぼ同水位で推移し、東井戸は住宅地(裸地)にあるせいかやや高めに推移していますが、ほぼ同じ傾向をとっています。
上図において、緑色で表示してあるのは、河川改修で採用されるCDM工法による植生影響をみるために選定された鳥居脇のクロマツ二本と河川改修現場より離れた位置にある手水舎西側に生い立つクロマツです。次ぎの画像はモニタリング松の近況画像社殿を守るスダジイの画像です。
 

 

 

 
事業官庁では、毎年秋、樹木の生長の止まった頃に当年枝の伸長量(長さ)と、その枝の葉の長さを記録する調査を実施しています。その結果、平成23年度と24年度では統計的に有意な差は認められませんでしたが、平成25年度は平成23年度と比較して3本の黒松ともに新葉の長さが短く、生長不良と判定されました。矢板工等の締め切り工事が実施されたのが平成24年秋以降ですから、工事により隣接地下水体等への地下水流出がとどこおり、前述のタンク2への地下水滞留等による植生影響が出ていると判断されます。
 地形的にほぼ3角形に立地している3つの井戸の地下水位が同様に推移していることと、距離的にも南北に離れて、堤防端との距離も異なって立地している3本の松の木の生長不良現象から、独立地下水体(それゆえ、隣接の地下水体への流出が困難)である宙水の範囲が委員会にて想定されていたよりも広い、輪中堤内境内の主要部を含むほぼ全域に広がっていると判断されるにいたりました。
 
 
 
                                以下つづく
 
author:bairinnet, category:鎮守の森と河川改修, 16:31
-, -, - -
スダジイの大木への摘果剤散布の経緯
平成24(2012)年12月5日付けの本ブログで紹介しましてように当社の国指定重文の社殿を北からの風雨より保護してきていますスダジイの大木はこれまでに河川改修工事により度々人為的変化を蒙ってまいりました。最初は、輪中堤の基礎工事を実施するための矢板工事のために平成23年10月に実施された北側部分の大規模な枝打ちです。下図は事前のスダジイの樹形と作業風景です。


第2回目は、翌年の2月に実施された これも大規模な枝打ちです。以下はその時の作業風景です。


 3回目は、平成24年11月5日に実施された北側に伸びていた根を取り除く根切保護工事です。下図の最初は、2回の枝打ちにより北側部分をすべて切り取られて状態の樹形です。

下図は、最初の枝打ち作業を実施する前と現在、平成26年5月時点のスダジイ(周辺の樹木含む)の樹形比較です。

 樹木は他の生き物と同じく、弱ってくると子孫を残そうとして花を沢山つけるようになります。かって、当社の銘木として親しまれたドーダンツツジも枯死する数年前には多くの花をつけたものでした。ちなみに、スダジイの2回の枝打ち作業後の最初の花の季節であった平成24年5月24日時点の花のつき具合です。

 次は 今年の5月27日にとった花のつき具合の写真です。

この2時点の花のつき具合を比べてみますと、今年の方が下の方の枝まで全体的に花のつき方が増えてきています。
さらに、下図は、この改修工事のために枝打ち、根切り等の人為的変化をうけたスダジイ(下図の赤色の円)とその隣りにある人為的変化を受けていないスダジイの花(下図の緑色の円)のつき方を比較したものです。変化をうけていないスダジイの下方の枝には花がついていないのに比べて、受けているスダジイは下方の枝まで花が沢山ついています。

 河川改修前の調査委員会にて植生担当委員を務められた委員の方には毎年現地調査をしていただいていますが、この状態を見られて大変心配されました。というのは、下図に示す 雄花序から雌花序へ虫媒介にて受粉しますとそれが果実になりますが、その際に大きなエネルギーを消費するために、たくさんの花がつくということはそれが果実化することで木を弱らせることになるからです。


 そこで 果物類に使用されている摘果剤の中から「NAC水和剤」ミクロテナポン水和剤85がよいと思われるので、満開から10日以内に散布した方がよいとの助言をいただきました。ただし、この水和剤にはシイノキの摘果剤としての登録がないため、事前の試験散布を実施したほうがよいとのことでした。今年の満開は5月25日ころでしたから、早速 河川改修事業関係で出入りの造園業者さんに試験散布の実施を要請しました。週末であったため薬剤入手に手間取り 一部の枝(下図の赤丸)につき試験的実施を行ったのは6月2日午後1時半過ぎでした。下図がその時の写真です。

 植生委員殿よりは、2日間で 散布された葉先に異常がなければ本格散布を実施するようにとの助言を受けました。
下図は翌日6月3日の午前6時の散布葉の写真です。

特段の以上は認められません。下図は、試験散布より2日後の本日昼12時半ころの葉の状況です。

日中ですので、よい写真ではありませんが 葉先に異常は認められません。この旨、委員殿にお知らせし、今晩からは雨模様とのことですがと申し上げたところ、今日の夕方までに早急に本格散布を実施した方がよいとの助言をいただきました。満開より10日目が今日ということもあり、急な対応をお願いして造園業者さんに本格散布を本日 午後3時40分から実施してもらいました。下図はその模様です。



ただ、本来ならは高所作業車にて樹形の頭頂部から全体に散布した方がよいのですが、当社の自己費用負担と明日には、当社の創建者であられる加賀藩三代利常公をお祀りする利常公をお祀りする小松神社例祭「商工祭」が斎行されるという時間的制約内で行うには、通常の地上からのホース散布にて30リットル分の実施を造園業者さんにお願いするのが精いっぱいでした。本件については、人為的変化の原因が河川改修事業にあることより、事業主体にも協力方を要請していたのですが、間に合わず、助言いただいた委員殿には当社の力不足で満足にお応えできず申し訳ないことですが、当社でできる範囲内での実施となりましたことをここに報告申し上げます。
author:bairinnet, category:鎮守の森と河川改修, 18:10
-, -, - -
地下水位上昇による植生被害のその後の経過観察調査の実施
昨年12月5日、本年1月9日のブログにて報告しました記事のその後についてです。河川改修による輪中堤及び堤脚排水路構築のための基礎工事にともない当社境内地の地下水が上昇したことによる高木層の根腐れ現象がおこり、春先からの木の生長期の状態が危惧されていました。昨日、事業主体の金沢河川国道事務所の調査委員会にて植生担当委員を勤められた方(樹木医)による経過観察調査が実施されました。ちなみに、本年1月9日のブログに記しました当社神門脇の仮設井戸の水位は、当時は地表から23僂任靴燭、現在は地表面から91儖焚爾伐善しています。
 この仮設井戸の近くにあるタブノキの現在の状態です。


右側のタブノキとその左側にあるスギの木は共に、堤脚水路を設置するために根切りをされ、その際に掘り出されたスギの木の根からは腐臭がただよい、また、スギの木の葉先に枯れが目立っていましたが、現在では、この枯れは見当たりません。タブノキについては、12月の調査時点にくらべて葉の色もやや快復し、新芽も出ています。下図は、剪定枝からの萌芽更新の状況です。

上図の黄色線内にように確かに萌芽はしていますが、萌芽した葉先が赤茶けて変色しているのが要注意と指摘されました。樹木が生育するために、特に、深根性高木の最小厚さを確保するためには地下水位は地表面から90僂箸覆蕕佑个覆蠅泙擦鵝8什澆涼浪漆絨未呂海譴鯔たしていますが、昨年下半期の地下水位の上昇から快復するには少なくも1年間は要するとのことですから、今後とも注意をもって見守る必要があるとの指摘でした。
 次は、同じく堤脚水路建設のために根切り枝打ちされたタブノキについてです。

このタブノキの新芽の状況が下図です。

課題点として、やはり花の付き方が多いことと葉の色が薄いことと新芽の出方が弱々しいのが気になるとのことです。下図は健康なタブノキの葉と新芽です。

こちらの葉の色も濃く、また、新芽の先も赤っぽくなっています。
 次は社殿の北側に生い立ち、社殿を風雪から保護するのに大いに貢献しているスダジイの現在の状況です。

これは北側の将来、分水路が流れる地点から望み見たスダジイです。現在は開花期で黄色の花が蜜についているのが見て取れます。下図は、このスダジイの穂状花序と葉の状態です。

この葉の色が薄いのが要注意との指摘でした。ちなみに近くにある根切り等をされていない元気なスダジイの葉の状態を下図に示してみます。

新しい葉の色も上記に比べてより濃い黄緑になっています。また、葉の大きさが小さくなっているのも要注意との指摘を受けました。ちなみに、林床にある落ち葉(左)と大量の枝打ち、根切りをされたスダジイの新葉(真ん中)と根切り等のされていない元気なスダジイの葉(右)を比較したのが下図です。


河川改修による根切り等をされていないスダジイの葉がされている葉よりも大きく、また、昨年来の落ち葉は、現在の葉よりも大きめの葉が多いことがわかります。今後とも経過観察するとともに、唯一生息空間が広く残っている南側に参拝者用通路を出来るだけ狭めて根の踏圧を少なくするように留意する対策をとることがよいとの指摘を受けました。


 
author:bairinnet, category:鎮守の森と河川改修, 07:27
-, -, - -
地下水位の上昇と植生影響(その2)
 昨年12月5日付けの当ブログの続きです。はたしてタブの木あたりの地下水位がどの程度になっているのかを確認するために深さ1m程度の穴を掘ってもらいました。その模様が下図です。地表から深さ40センチくらいまで地下水位があがっています。これではタブの木の根は水につかっている状態になっています。


 当社境内には昔からの古井戸が二つあります。一つは社殿横の神饌所内に、もう一つは梅林院内にあります。
10年ほど前に、計画されている河川改修工事の説明をするために社報に掲載した図の画像が下図です。

梯川の水位(近くの小松大橋付近の水位)と二つの井戸の水位を2005年1月から12月の1年間についてTP(東京湾平均海面からはかった高さ)で表示しています。梯川の水位は0.5m前後、二つの井戸の水位は1mから1.5mの範囲にあります。この時点はいまだ当社周辺の河川改修工事は開始されていないころでした。
 現在の井戸の様子が下図です。この水位をはかってみますと10年前よりも40から50センチほど上昇しています。

 ここで、河川改修工事と地下水に関連するこれまでの調査結果をみてみることにします。
 梯川河川改修工事を担当する金沢河川国道事務所に設置されました「小松天満宮整備計画評価委員会」はその第二回会合(H19.12.18)において、河川改修工事による当社の地下水影響を検討いたしました(その内容は、当事務所のHPを参照下さい)。当社に昔からある二つの井戸と境内の内外に掘った各種の井戸の水位変化と雨量や河川水位変動との関わりや、揚水試験(一つの井戸から地下水を揚げることにより隣接する井戸への影響をみる)の結果、それと井戸周辺の地下地層の特徴などにもとづいて以下のように結論しています。
 
  • 1)境内にある二つの井戸と周辺井戸の地下水は分離独立しており、境内井戸の地下水の涵養域は境内の比較的狭い範囲であり、周辺からの地下水流入は少ないと推定される。それゆえ、涵養域である境内の改変は最小限にとどめ、降水の浸透の維持増進を図ることが重要。
  • 2)境内の地層は、地下5mまでの浅層に盛り土を含め、粘土・シルトの細粒質の土層が層状をなしている。これが境内の地下水体が宙水状態になっていることに貢献。
  • 3)境内井戸の水質組成はNa-CLタイプで、降水の水質の影響が反映し溶存成分量が少ない。これに対して境外井戸の水質組成はCa-HCo3 タイプで浅層地下水の特徴があらわれている。このことからも、境内井戸と境外井戸とは独立しているが判明。
  • 4)境内における水収支の検討から、年間を通じて、水収支は余剰側に傾いていることから、給水よりも排水対策が重要と判断。ただ、降雨の多い時期には、降雨が止むと速やかに降雨前の状態に回復することから、現況の排水が十分機能していると判断される
このうち上記2)の地層を示した図が下図です。境内の直下には古文書記載通りに盛り土(BIV)がされています。井戸の取水するAS1そうは地下水をブロックする不透水能力の高いAC1層(粘性土層、シルト層)にかこまれています。このように独立して存在する地下水層を「宙水」といいます。宙水状態の地下水層は梯川の地下水層(AS3、砂質土)から隔離されています。



 以上の検討結果に依拠して、河川改修後の排水系統は、現況の境内内の排水路を維持しつつ、補完的に輪中堤に沿った形で排水路を設けて、境内下流側に設置の排水機場から排水する計画が立案されました。この排水計画の概要は、当ブログ2011年6月2日付けをご覧下さい。
 以上が経緯の概要ですが、当社の二つの井戸の過去の水位変化をみますと昨年末以降、上昇傾向にあること、上記、3)より当社井戸の水質組成が降水由来によるもの、2)より境内地層の特徴から降雨が地下深くに浸透しにくい地層になっている、また、現在顕著に影響が出ているのが堤防改築工事進行中の本川側堤防沿いの高木層であることから、降雨が地下に滞留した結果、地下水位が上昇しているものと推定せざるを得ません。
 タブの木だけでなく、新たに堤防改修工事の進行中のタブの木の東側に隣接する常緑のサンゴジュの葉も枯れ出してきました。

 現在は樹木は冬季中で活動停止状態にありますが、春になると一気に枯れ死が進むかもしれないといわれています。ただ、この付近の高木層は指定文化財神門を風雨雪から保護する役目があると共に参道沿いの景観を保護する大切な役目をはたしています。座して無為に時間をすごすわけにもいかず、 当該箇所の工事業者の協力により、タブの木とサンゴジュの中間あたりの、周囲に根のないあたりに新たに深さ1m50僂侶蠅魴,辰討修海らポンプ排水を実施することとし目下実施中です。
 以上より、平成19年の第二回会合における委員会の判断である「現況の排水が十分に機能している」(上記4)の下線部)が、河川改修前の状態(隣接する本川および農業用水路に地中から排水可能な状態)の枠内にて妥当する判断であることが判明します。想定外に如何に対処するか、想定内にあるとしてもそこへの過渡的状態の管理を如何に適切に実施するかは事業の後世評価にとっても大切なことといえます。
author:bairinnet, category:鎮守の森と河川改修, 19:42
-, -, - -
地下水位の上昇による植生被害が指摘さる
2011年10月14日の本ブログに紹介しましたように、当社神門脇のタブの木は神門を風害等から守る防災効果の大なる大木の一本ですが、河川改修にともなう堤防改修工事により枝打ちや根切りのなされました。ここ数か月、このタブの木の葉の色が薄くなっていることが指摘されていました。下図の神門の屋根の上にそびえるのが、タブの木の葉の様子です。



次の画像は、境内の他の場所にあるタブの木の葉の様子ですが、これに比べて濃い色をしています。



本日、河川改修を担当している国交省金沢河川国道事務所の調査委員会にて植生担当委員を務められた委員の方による現地調査が実施されました。このタブの木のあたりの境内様子を示したのが、下の画像です。堤防端に幾本かの大木が立っています。



このうち、タブの木の西方、上図では左側にタブの木がありますが、右手の方に大きなスギノキがあります。この杉の木の葉先が、下図のように枯れていることが注目されました。通常の枯れは、枝の懐近くになりますが、このように葉先に枯れてきていことと、タブの木の葉の色が薄くなってきていることから、従来の堤防に比べて耐震工法を経た堤防地下に地下水が滞留し、木本の根の周りの地下水位が上昇していることが原因と推察されました。



この推察を裏付けるデータも本日の調査において提供されました。それは、上図のスギノキですが、堤防端に排水路を設置するために値切りをした際に採取した根が腐って、臭いにおいを出していることが確認されました。そのスギノキの根の画像が下図です。



左手にもっている方が下部ですが、このあたりが腐っていて、鼻を近づけて臭いをかいでみるといやなにおいがします。においがするということは最近 腐朽した証拠となりますから、上述した一連の悪影響は地下水位上昇が原因と推定されました。
 この杉の木よりさらに社殿の方向に進むと当社の十五重塔南側の堤防沿いに生い立つ松の木の葉にも、下図に示すように所々に枯れが目立つようになってきました。この冬場に向かう時期にこのような形の枯れが生じるのは、この堤防沿いの地下水位上昇の影響の可能性大と指摘されました・



 平成21年3月30日開催の「第3回小松天満宮等整備計画評価委員会」資料4-2;(2)植物環境の保全・創出 http://www.hrr.mlit.go.jp/kanazawa/mb2_jigyo/river/temman/comm3/com304_2.pdf
においては、「地下水位は大きく変動しないと予想され、植物に対する影響は少ないと考えられる」とされています。今回の観測においては、特に、神門から社殿にいたる本川側堤防と参道との間において地下水位の上昇によるとみられる植物影響が顕在化して兆候がみられると指摘されました。
 滋賀県の唐崎より取り寄せた種子から育てたといわれる兼六園の「唐崎の松」のように、幼樹が池の横に植えられ、池の方にも根を伸ばさざるを得ない場合には、生きるために、その環境に合わせるよう、長時間かけて変化していくといわれます。他方、大きくなった赤松を池の横に植えた場合は絶対に生きていけないでしょう。また、赤松の生育しているすぐ横に大きな池を作り、水分過多になるとすぐに枯れてしまいます。大きくなってからの急激な変化には樹木はとても弱いといわれます。このことは平成21年の委員会後に植生評価委員殿より教示されたことです。
 これらをふまえて、地下水位上昇の程度を調査し、早急に排水する手立てを確保すればまだ助かると指摘されました。
author:bairinnet, category:鎮守の森と河川改修, 17:34
-, -, - -
ご神座の松のその後
 

 本年4月25日の本ブログにて紹介しました「ご神座の松枯れ始める」のその後について、ブログを見られて遠路来社された参詣者の方より社務所にお尋ねがありましたので、その後の経過につきお知らせします。センチュウの有無を調べる検査が3者により実施されました。このうち、松の枝の破片を塩素を含まない水溶液に48時間放置して生息を確認する簡易検査方法によりセンチュウの生息が認められたため、より詳細な検査を実施することとなり、松くい虫被害予防薬剤の製造元(ここは松の葉先を検体に使用)の精密検査、石川県の研究機関による松の幹の木片による精密検査を実施しましたが、この後者の精密検査ではセンチュウの生息は確認できませんでした。ただ、進行が急激であることなど枯れ方の特徴は松くい虫被害によく似ています。松くい虫被害だとして簡易検査以外の精密検査で松くい虫被害が確認できないのは何故かとなります。一つ考えられるのは、センチュウが松の根に侵入して根からの水分の取り込みを阻害しはじめ、センチュウが根から幹に上がろうとしても、3月5日ころに注入されたグリンガード・エイトのために上がれなかったために、幹や枝から採取された検体の精密検査からもセンチュウの生息が確認できなかったという可能性です。

 ただ、ブログでも紹介しましたように、「ご神座の松」以外に多数の松が周辺に生息していて、それらには松くい虫被害の症状が認められないことと、河川改修工事による影響(枝打ち等)を蒙っている松は「ご神座の松」しかないことから、工事による影響も否定できません。このように因果関係の究明には、全国的にみて同種の事例の収集等が必要になり時間がかかることが予想されました。

 他方、当社周辺の河川堤防の改修工事、特に、耐震対策工法には、セメント改良(CDM工法)が採用され、セメント改良に伴うアルカリ分の溶出が境内に与える影響把握のため、堤防に隣接する境内に高木黒松二本がモニタリング木に指定され、また、堤防から離れた境内の高木黒松一本が対照木に指定されています。簡易検査により生息の確認されていることから、松くい虫被害によることが否定できない以上、カミキリ虫が蛹から成虫になって飛散してこれらモニタリング木に悪影響を与えることも否定できません。とくに早いときは5月下旬から飛散が開始されるとの樹木医さんの意見も踏まえ、また、近隣には河川改修工事箇所や社殿等もあることから、倒壊時の被害も大になることが予想されました。

 以上をふまえて、当社では、枯れ死の原因究明と補植等対策を事業官庁に要望することを条件として切り払わせていただくことを神社本庁統理殿に申請して、承認されました。去る5月22日にご神前での神事斎行後に切り払いの儀を斎行させていただきました。

 下記は切り払い直前の「ご神座の松」の全景写真と、年輪であります。年輪からは約180年生と推定されました。

 









 

author:bairinnet, category:鎮守の森と河川改修, 20:12
-, -, - -
御神座の松枯れ始める

昭和50年代半ばに御神座の発生して以来30年以上にわたり「御神座の松」として親しまれてきました当社社殿南方の堤防脇に生い立ちます松が、残念なことに枯れが目立つようになってきて、本日、当社にかかる河川改修の植生調査委員を務められた樹木医の方による現地調査がありましたので、その概要をご紹介します。本日現在での画像が下の通りです。



「御神座の松」は河川改修による護岸整備のために、これまでに枝打ちが実施されました。平成23年10月のことですが、其の折りの枝打ちカ所を示したのが下図です。

枝打ちカ所は上手の赤点線部分と白丸部分ですが、白丸部分は堤防側に大きく出ている枝ですが、そのカ所を拡大してみたのが下図です。


枝打ち後の状況を示しているのが、下図ですが、この時は異常は認められませんでした。



その後、平成24年10月に前年の枝打ちカ所に改めて防腐処理をしましたが、その折りも異常は認められませんでした。それからほぼ半年後の状況が最初の画像です。また、平成24年10月以降に、鋼管矢板工事用の車両が通行出来るように堤防上部を広げるために、当社南端の堤防端に矢板が打ち込まれていますので、それによる松の根伐りも行われていると推定出来ます。
 本日の調査により、松食い虫が侵入しているかどうかを見る簡易試験のために、松の枝を一部切り取ってみました。


目視により、松が健康ならば、樹脂道からヤニが出るのですが、これは、最もヤニの出やすい皮付近の形成層からもヤニが認められませんでした。樹脂道は根から葉先まで通っていて、これを通って水分も供給されますから、枯れだした直接の原因は水分が葉先まで供給されていないことです。センチュウが生息していますと導管がふさがれて水が上がらなくなりますから、まずはセンチュウの生息の有無を確認せねばなりません。切り取った枝の部分を細かく打ち砕いて、ミネラルウオーターのような塩素を含まない水に入れて放置しておきます。もしも生きたセンチュウがいれば、長さが0.7伉度ですから、泳いでいるのが目視で確認出来ます。
 他方、当該松には、今年の春先3月5日頃に松食い虫被害予防の薬剤(グリンガード・エイト)の注入がおこなわれています(下図)。



この薬剤が樹脂道にあがっていけば、センチュウは動かなくなりますので、上述の簡易検査では生息は確認出来ず。顕微鏡検査等のより詳細な調査が必要になりますので、今後、その調査もあわせて行うことにいたしました。いずれにしろ、松食い虫被害は、センチュウが侵入しないことには起こりませんが、侵入したからといって被害が発症するものではありません。その証拠に、「御神座の松」以外に多数の松が周辺に存在していますが、他の松には被害は出ていません。被害が出るかどうかは、当該松の抵抗性にも依存します。センチュウが侵入しても、松の抵抗力があれば被害が顕在化しないということです。なお、現存する当社の松のうちで、河川改修による枝打ち等の直接的な影響を蒙ったのは、堤防端に近接しているこの「御神座の松」だけではあります。


 

author:bairinnet, category:鎮守の森と河川改修, 15:19
-, -, - -
本殿を守るスダジイの手当
 当社境内の北側に輪中堤を築くための地盤改良工事のために余儀なくされる立木の処分と枝打ち作業(平成23年10月14日ブログ参照)も今年の11月末をもってようやく完了しましたので、本日、国土交通省金沢河川国道事務所により設置されていました「小松天満宮整備計画評価委員会」の植生担当委員殿による現地指導が行われました。現地指導の対象木は、当社の指定文化財建造物であります社殿のうち、特に、本殿を北風等から保護してきていますスダジイです。
 まず、下図は、昨年10月の最初の枝打ち前のスダジイの姿です(画像の白丸内)。北側にもこんもりと枝葉が茂っています。


本年11月の最後の枝打ちと周辺の立木の処分により変化したスダジイの姿です(下図の赤丸内)。輪中堤の法尻に打ち込まれますH鋼に沿って、北側及び西側に張り出していました枝葉が切り払われていると共に、西側が広い開放空間になっています。


また、H鋼打ち込みに備えて、北側に張り出していました根切りも不可避になり、11月16日の本ブログで紹介しましたように、根切りと切り取った根元への防腐剤を塗っての根廻し工事も完了しました(下図はその画像です)。



立ち会った樹木医さんの話では、これだけの規模での枝打ちと根切りをされたスダジイの例は少なくとも県内ではないのではないかということでした。 
 整備計画評価委員会委員殿による本日の現地指導で最初に問題になったのは、下図に示しますように、根廻し工事の後に施工されましたH鋼との間にあるたまり水の水位が高すぎることでした。

このたまり水の北側あたりは、従前は、農業用水路があったところですが、その時の水位よりもかなり高くなっています。このように水位が高いと「根腐れ」をおこす危険性があるとのことです。これについて工事関係者の話ではあと30僂曚匹浪爾欧蕕譴襪箸里海箸任垢里如∩甬泙某絨未魏爾欧訛从をとってもらうことにいたしました。
 第二は、従前、北側に生い茂っていた太い幹や枝などが急激に剪定されたことと根切りによって、スダジイの重心が大きく変化し、根の支持力も弱まっていることです。下図は、スダジイを西側からみた現在の姿です。スダジイに寄り添って生育している「龍松」(スダジイの枝葉を裂けるように龍のように曲がりくねって生育している松)とスダジイの幹が一部重なって映っていますが、太い枝幹が南側に偏って生育していることがわかると思います。



さらに、落葉樹と異なり常緑樹では、雪や風の影響を受けやすいことと、根がどの程度の抵抗力をもっているか予想が難しいことから、強剪定となった北西方向に枝が伸びて樹形が整ってくると考えられる当分の間(少なくとも10年程度)は支柱で補助するのが安全であること。ただ、支柱をたてると支柱に頼るようになる傾向にあるので、今後の気象状況や生育状況をみて、今後の支柱更新をどのようにするかを判断していった方がよいとのことでした。
 まもなく強風雪の季節になりますので、とりいそぎ支柱をたててスダジイの大木の安全な生育をはかることになりました。

author:bairinnet, category:鎮守の森と河川改修, 16:37
-, -, - -
スダジイの根廻工事
昨年10月14日、本年2月21日と10月29日の本ブログで紹介しましたように、当社には国指定重要文化財社殿の北側に生い立ちて社殿を北風から守ってきているスダジイの大木があります。当社の北側に輪中堤を築くための地盤改良工事の一環として、輪中堤の法面尻にH鋼を打ち込む必要があります。この工事のために、北側に出ている部分の枝打ちと北側部分に出ている根を切り取らねばなりません。昨年から今年にかけての秋冬期間に3回の枝打ちを実施して、枝打ちについては完了しました。下図は北側の枝打ちが完了したスダジイの様子です。



北側部分の枝張りがほとんど全ておとされ、南側の枝張りのみが残された状態になっていますので、南側の枝に過大に加重がかかることになりますから、南側の大きな枝に支柱をたてることでバランスをとることになります。
 H鋼をうつための準備として、次ぎにスダジイの根を処理せねばなりません。そのために、隣接する旧の農業用水路のコンクリをはがします。下図ははがす前の様子であり、その次ぎの図ははがした後の画像です。




はがしてみますと、コンクリを打ち込んだすぐ隣には、多くの玉石が埋められています。この用水路が三面コンクリ張りになったのは昭和50年代以降のことのようで、それ以前は、こうした玉石で護岸を固めていたと思われます。ただ、この写真にはあまり鮮明ではありませんが、スダジイの根が多く出ていることが認められます。H鋼を打ち込むには、打ち込む場所からある程度の幅をもって護岸を削り取る必要があります。このように沢山の根が出ている状態で、重機械を使用して護岸を削り取っていきますと、根が大いに傷んで、「くされ」が入り安くなります。それゆえ、丁寧に土砂を除いて、根廻しをしてやる必要があります。
下図は、丁寧に土砂を除いていったときに現れた根の塊の図であり、このような根が出てくると切り取った後にトップジンMペーストを塗って「くされ」を予防している図です。





こうしてきれいに根を切り取ってから、付近の土に有機肥料「元樹くん」を混ぜ合わせて埋め戻しすることで根廻工事が完了しました。下図は埋め戻した後の状況を示しています。







author:bairinnet, category:鎮守の森と河川改修, 06:55
-, -, - -