RSS | ATOM | SEARCH
境内のカニ
 いつも早朝にお参りにくるご婦人の方が、境内の水たまりをのぞき込んでおられて「子ガニが沢山いますよ」といわれてしばしご覧になっていて「親子でいますよ。いのちがつながっているんですね」といわれました。下図は当社の排水溝の一つにいるカニたちです。


昭和50年代後半の生物調査では、境内外には、「アカテガニ」、「モクズガニ」、「クロベンケイガニ」の生息が確認されています。このうち、「アカデガニ」と「モクズガニ」は一時的にしろ海中での生活を必要とします。当社の排水のながれ込む農業用水路(文田川)の流末に、昭和60年代初頭に建設された排水機場により海洋との行き来は現在たたれていますから、生息しているとすると「クロベンケイガニ」とおもわれます。下図は、上図のカニの拡大図です。


このカニは人が近づくとすぐに穴にかくれてしまいますが、早朝のご婦人の感心していたのは下図にしめすような多くの子ガニが最近みられることです。

親ガニから子がにへのいのちのつながりは、梅園等に薬剤を散布しますと雨と共に排水路に流れ込み、みられなくなります。今年は幸いにも梅園への殺虫剤散布はこれまで行われませんでしたから、「いのちのつながり」が見られます。
 この殺虫剤も原子力発電所(の作り出す電力)もそうですが、人間生活にとって大変有用なものですが、他面、リスクもあります。近世日本を含む東洋の伝統的思想では、物事は全て積極的な面(陽)と消極的な面(陰)の要素をもつと考えます。どちらか一方の要素だけで物事を捉えることはしないようです。ただし、消極的といっても何もしないことばかりでなく、事物についてじっくりと学ぶことも含まれます。原子力発電所を例にとれば、プラスの効用面だけでとらえることはせず、マイナスの面も考慮しつつ、事物の利用を考える生き方に通じます。ひたすら、利用の拡大促進にはしるのでなく、獲得した事物についてじっくりと経験をつみ、学習することの大切さをいいあらわすのが「消極的」の意味といえます。鎮守の森と殺虫剤との関わりでいえば、いのちのつながりを大切にしようとするなら、殺虫剤のもつプラスの効用面も出来るだけ自粛し、他の代替的な方法にて樹木の健全さを保つことを考えるやり方といえます。
author:bairinnet, category:鎮守の森, 06:51
-, -, - -