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春季例祭の斎行と献花にこめた辟邪の願い

  今年は御祭神の菅原道真公が大宰府にてお亡くなりになられた延喜3(902)225日(旧暦)より数えで1119年となりますが、明治の改暦より、当社の春祭りは325日に斎行されています。2年前のH30.3.25の当社ブログをみますと参道沿いに紅梅白梅咲き揃う中での春季祭典とつづられています。今年はほとんどの紅梅白梅は散ってしまっていますから、今年は暖冬であったことがわかります。また、春先から世界規模での新型コロナウイルス感染症蔓延のため、神社本庁より全国各社への要請を受けて、春季例祭の式典にあわせて、「小松天満宮十五社会」の各社を遙拝しての「新型コロナウイルス感染症流行鎮静祈願祭」もあわせて斎行されました。

  病気や災害から身を守り、健康で安全な日常生活を営みたいというのは、古来からの人々の願いであり、病魔という邪鬼や邪悪なものを防ぐ「辟邪(へきじゃ)」の願いは種々の形をとって伝えられてきました。桃の節句の桃はイザナギの大神の黄泉の国からの逃走を助けたことなどにより、端午の節句の菖蒲は形が刀に似ていることから、共に、魔物をはらう力があるとされてきたことは一例です。社殿におかざりされている真榊(三種神器)に吊り下げられている五色絹も辟邪のしつらえです。

 キトラ古墳の石室内の四方の壁に描かれている四神図は、北壁に玄武、東壁に青龍、南壁に朱雀、西壁に白虎が描かれていますが、この四神と中央は五行思想の観点からも説明されます。玄武は五行の水気(色は黒ないし紫)、東の青龍は木気(色は青ないし緑)、南の朱雀は火気(色は赤ないし紅)、西の白虎は金気(色は白)これに中央を表示するのが土気(色は黄色)です。これら五気ないし五色でもって天をおおうことができると考え、私共の住む住空間を邪悪のものから守ってくれる表象とされてきましたから辟邪のしつらえにふさわしいものです。

 下図は、今年の春季例祭の社殿に、古流柏葉会の方により供えられた直立型応用華(新応用花)です。

 

 

 真直ぐに直立して活けられているのがナナカマドで真(天に対応)の枝、そのまわりにはコデマリが、右手前に活けられているのがハランで流れ(人に対応)の枝で、これらの色は緑色です。天の気をうけて新たな命を芽生えさす万の生き物をあらわす受け(地に対応)の枝にはサンゴミズキ(色は紅)が、左下方に活けられています。中央に活けられているお花は、スプレーストックの白色、小菊の黄色、スイートピーの紫色、カーネーションの桃色(赤系統)で合わせて五色のしつらえの献花です。

 令和二年の万物生長の季節を郷土の人々が健康な日常生活と生業を営んでいけるようにとの願いを込めての春季例祭にふさわしい献花といえます。 

author:bairinnet, category:祭典・行事, 19:47
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