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石川県立歴史博物館における展覧会のご案内

 

来る9月14日より11月4日の間、石川県立歴史博物館において、「加賀前田家と北野天満宮展」が開催され、その中で、当社創建の意義や加賀藩三代前田利常公により初代別当に任ぜられた松雲庵(梅林院)能順の人物像を中心に、当社宝物も多数展示されます。展覧会については、歴博のHPをご覧ください:

https://ishikawa-rekihaku.jp/special/special_top.php?cd=2019080201

 

ここでは次の歴博のポスター裏面に丸印をつけてある展示品について紹介します。緑色の丸印で囲まれているのは、菅公800年祭(元禄15年、1702年)に加賀藩5代藩主松平加賀守(前田綱紀)により北野天満宮に奉納された「太刀 銘 恒次」です。作者の備中青江恒次は、後鳥羽院の御番鍛冶の一人です。安徳天皇の後に天皇になられた後鳥羽天皇は、神剣が安徳天皇入水とともに失われたことをいたく悔やまれ、自ら刀剣作りに挑まれ、そのために全国から名工といわれる刀鍛冶を呼び寄せて刀剣を鍛える相鎚方を務めさせました。天皇のおそば近くで奉仕する刀鍛冶には官職を与えられたため、我が国の刀工の地位は高く、世界的にみても大変珍しい存在になったのは、ひとえに後鳥羽院のおかげといわれています。北野天満宮宮司職の松梅院とともに、内陣に加賀守様御寄進のこの太刀を奉納したのが、当社初代宮司松雲庵(梅林院)能順でありました。北野天満宮内陣に入っての奉納は、能順一代限りとして特別に認められてのことでした。

 赤丸印で囲ったのは、前田長知(孝記)主水により、明暦3年(1657)当社創建時に奉納された「紅梅図額」です。前田長知は、守山城及び小松城において利常公の傅役(もりやく)を務めた前田長種の孫にあたる方であり、加賀藩4代藩主前田光高卿に仕えた方です。天満宮に奉納される梅花の絵柄は白梅がほとんどであり、紅梅の絵柄は大変珍しいものです。

 

 前田家による5本の刀剣奉納のうち、最後の刀剣奉納は、昭和2年斎行の菅公1025年祭に当時の前田家16代当主侯爵前田利為様により奉納されたものです。加賀藩三代藩主前田利常公をお祀りする小松神社は昭和1265日に金沢市の尾山神社より宮渡りされました。6月5日の遷座慶賀祭には代理として侯爵令嗣利建様が参列されましたが、その数日後に当社に正式参拝された時のお写真です。利為様は当時、陸軍大学校校長の職にあり、この後の昭和12年8月には第8師団長、昭和17年にボルネオ守備軍司令官に親補されるも、同年9月、57歳にて現地において殉職されました。5代綱紀卿らにより収集のなだたる古書や名品をあつめた「尊経閣文庫」と、その維持管理にあたる「前田育徳会」を設立するなど伝統文化の保存・継承に尽くされた方であります。今回の展覧会には前田育徳会より多数出品されています。

 

 

author:bairinnet, category:宝物紹介, 20:27
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