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スダジイの根元土壌改良工事の実施(その1)

 本ブログH28.8.12日号にて紹介しました平成28年上期樹木調査時に樹木調査担当樹木医殿より助言のあったスダジイ根元の土壌改良工事が平成28年8月12日までに実施されました。本スダジイは国指定重要文化財社殿のほぼ真後に生い立つ大木であり、明暦3年(1657)の建立時ないし,建立後間もなくに人為的に植栽されたものと推定されるものです。北側からの風雨雪が指定文化財建造物を直撃するのを防ぐのに貢献している当社にとって重要木であります。

 今回実施の土壌改良工事の概要を紹介する前に、本ブログでは、スダジイに影響を与えた河川改修工事の経緯を過去にさかのぼって紹介いたします。

 当社境内北側を流れる農業用水路(文田川)の切り替え工事後の平成23年9月に擁壁撤去工事が実施されました。図1は、はぎとられる直前のスダジイ根元の用水路擁壁の画像を示しています。

 

 

  

次ぎに、工事線にそって矢板を打ち込むために、スダジイの枝打ちが3回にわたって実施されました。平成23年11月、平成24年2月、平成24年11月の3回です。図2は、三回目の枝打ちが実施された平成24年11月、枝打ち前のスダジイの像です。菰を撒いてある松の木の左側に見えるのがスダジイです。

 

 

  

 スダジイの枝打後に、工事に支障となる箇所の根伐りが平成24年11月中旬に実施されました。図3は、根伐りした箇所に土壌改良土(商品名:元樹くん)を入れてコンパネにて土留めした後の画像です。

 

  

 

 図3の土留め部分の左側に水たまりが見えますが、その箇所から左側に矢板が打ち込まれて、矢板付近に仮設排水路が設けられました。

 図4は、スダジイ根元の土留めが実施されてから間もなくの平成24年12月5日にスダジイ根元の仮設排水路の水位状況を示した画像です。

 

 

樹木調査担当の樹木医殿の指摘をうけて、水位を下げるように工事関係者に要請しましたが、実施されませんでした。

仮設排水路の末端にある釜場は、スダジイに隣接する北側に設置され、そこから工事箇所外に仮設配管にて排出されるようになっていました。図5は、釜場の状況画像ですが、これでも仮設排水路の水位が高すぎて、スダジイの根腐れの原因となると樹木医殿からも指摘され、神社からも改善方を要請いたしました。

 

 

仮設排水路の釜場を掘り下げて水位を下げる小工事の実施されたのは、平成27年4月のことでした。図6は、釜場掘り下げ後の排水路の画像ですが、ようやく排水路に溜まり水がなくなりました。

 

 

  平成27年から平成28年にかけて境内北側の輪中堤および排水路建設工事がすすみ、本年(平成28年)5月の樹木調査時のスダジイ北側の工事状況を示すのが図7です。工事区域と境内を区切る万能塀が取り去られ、スダジイ根元には平成24年11月に設置されていたコンパネ板がみえます。

 

 

 万能塀を外した後に排水路敷設するために、仕切りのコンパネ板を再度組み直すのに立ち会った樹木医殿の話では、コンパネ板のスダジイ側の斜面には新しい根は見られなかったとのことです。

平成24年11月の土留め工事をした時(図3参照)には、根が多く出ていました。次の図8は、その折に、根切りした部分にトップジンMペーストを塗布している様子です。2年半近く、仮設排水路の高水位にさらされ、図3の土留め工事の際に投入された土壌改良土の補充投入もなく放置された結果、根元部が空気や水気にさらされつづけた結果、根が伸び得なかったものと推定されます。

 

  

 

author:bairinnet, category:鎮守の森と河川改修, 05:52
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