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事業官庁による秋の樹木調査の実施
河川改修による樹木の影響を見る事業官庁による秋の樹木調査が1031日に担当の樹木医2名の方方により実施されました。
  1. 最初の画像(図1)は96日に撮影されたものです。図2は調査日に撮影されたものですが、エノキの葉先枯れ部分です。





図1の緑印は、河川改修により大規模な枝打ちと根切りの実施されました当社社殿真後に生い立って、社殿を風雨雪より保護するのに役立っているスダジイの大木です。黄色印は、過日、切払の実施されました枯死した龍松の枝先部分です。赤印は枝先の葉枯れが進行中のエノキです。樹木調査では、このエノキの葉先枯れは回復せず、葉枯れ部分は切り払った方がよいとの指導をうけましたが、工事現場に高所作業車が入れない状況のため、機会をみて切払を行うこととしました。

2)この葉先枯れの原因として注目されましたのが、上図のフェンス際を流れる排水路の水位です。この排水路は当社境内からの排水や工事区域からの排水を釜場(集水枡)にあつめて、水中ポンプにて工事区域外の用水路に排出するものです。図3は釜場の状況ですが、図1のスダジイの根元の手前にあります。



この釜場手前の状況を示すのが図4です。


 

黄色線は当社境内域や周辺の工事区域からの排水の釜場への進入路を示しています。ところが、青色線の示すように矢板とフェンスの間を通ってフェンス際に生い立つ樹木の根元にも水が流れ込んでいます。スダジイや枯死した龍松のような松の大木の根は水気を嫌いますが、エノキの根は水気に弱いため、この青色線に流れ込まないことはもとよりのこと、排水路をの水位が高すぎるとの指摘を受けました。上図の茶色線がエノキの根元の前面を示しています。水位を下げるには、釜場をもっと掘り下げて、排水路の水位を下げるようにとの指導を受けました。

 この指導をうけて、釜場を管理している工事業者の協力により、応急措置として釜場手前の排水路を掘り下げて、図4の青線部分に排水が流れ込まないようにすると共に、釜場に敷設の水中ポンプ起動の感知器の水位を下げてもらうこととし11月3日までに実施されました。図5は実施後の釜場手前の排水路の状況、図6は釜場の現況です。

 


3)図1のスダジイの観察結果では、枝打ち箇所からの芽吹きはみられるのはよいが、隣接の河川工事の影響をうけていないスダジイに比べて、葉の大きさが全体的に小さいのが依然として不安要因であると指摘され、今後、スダジイの果実を採取して調査してみることとなりました。なお、先に伐採して龍松の根元付近にいくつかの2世が育っていることが、観察されました(下の図7)ので、移植にたえるまでこの場で生育させることにしました。



4)境内北側の工事区域との境界にはフェンスが設置されていますが、図1はフェンスの西側部分を示しています。次ぎの図8は、このフェンスの東側に生い立つタブの木です。

 

黄色印は、河川改修工事による枝打ち部分ですが、樹木医殿の指導をうけて枝打ちを実施し、枝打痕跡に防腐剤等を塗布してあるため、若い枝葉の生長が観察されます。これに対して、赤丸印の枝打痕跡は、昭和60年前後に、隣接の文田川用水路に管理に支障になるとのことで枝打ちされた痕跡です。当時は、枝打ち後に防腐剤等を散布することなく放置されたため、かなり荒れた状態での枝打ち痕跡となっています。このタブの木の根元の観察により、このタブの木の根元にはクサレが生じていることが判明しました。下の図9の赤丸印部分です。ただ、同根のもう一本の枝が健康なことが幸いですが、クサレの進行状況は要観察とされます。


このクサレの原因は次ぎの図10に示す伐採痕跡がふさがっていないことです。枝打ち後の処置がされなかったためです。



 

この痕跡跡に大きな「こふきたけ」が発生していました。このコフキタケは樹勢低下の指標ともされるもので、放置することはよくないとのことで、切り取ったのが、下の図11です。

 


5)図12の赤丸印は、国指定文化財の神門をの風雨等から保護するのに役立っているタブの木です。



昨年の集中豪雨による境内域の地下水上昇もあり、葉の色が薄くなる等の樹勢低下が心配されている重要木の一つです。幸いにも今年は生長期に地下水上昇も観察されませんでしたが、依然として要観察とされました。また、次ぎの図13は、このタブの木の根元付近を示しています。






このあたりには、輪中堤の堤脚水路が敷設されることとなっていますが、根を傷めないために、少なくとも1年前の樹木の休眠期(生長開始前の春3月頃)に根元の養生工事を行った方がよいとの助言をいただきました。


 


 

author:bairinnet, category:鎮守の森と河川改修, 08:00
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