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枯死と判定された龍松の伐り払いの実施
本ブログ 8月27日号で報告しました「枯死した龍松」の切払作業が本日早朝に実施されました。木に上った木こりさんが上部より伐採し、それをレッカー車により慎重に地面におろす形で無事終了いたしました。年輪判定より、およそ170年生でしたから、江戸時代後期 (1840年代)から生い立っていた黒松でした。
 
  
 
 枯死は松食い虫ではないと判定されていましたので、隣接する河川改修工事との関連として二つ考えられています。
一つは、工事による龍松の根元が傷められた可能性です。現在、当社では、社殿を西風から守ることや景観上からも重要木とされている黒松の周辺で防災設備用の貯水槽工事が行われています。河川法上の制約(河川堤防から5知イ后謀に加えて、松の木の根元より一定距離をとって貯水槽の位置決めを行っています。下図を御覧下さい。
 
 
 
上図の赤線は、松の木から3.5辰泙任竜離です。これは、掘り起こし等の土工事を一切しない区域です。黄色線は、根元より6辰竜離を示していて、この黄色線の右端が貯水槽の端に対応しています。坑を掘る場合には、垂直に掘ることは困難なため、根元から3.5辰ら6辰隆屬蓮⊆个畄,蠹の土工事が行われる区域に対応しています。本格的な掘り起こしの前に、この部分の試掘を行います。下図が試掘の状況です。
 
 
 
試掘には樹木医さんの指導を得て、根が露出していないかどうかを見てもらい、露出しているようであれば事前に根の養生工を実施してから、本格的な掘り起こしにかかります。この場合、幸いなことに当該松の根は見られませんでした。
本日、切払を余儀なくされた龍松の場合は、近接して河川改修工事(地盤改良工事等)が平成24年より実施されました。下図は実施前の状況画像です。
 
 

 スダジイと龍松(上図でこもを巻いてある木)の北側には農業用水路があり、この用水路を別の場所に付け替えて、ここに地盤改良工事を行うというものでした。用水路の擁壁を取り外すと沢山の根が出てまいりましたので、スダジイについては根の養生工が実施されましたが、龍松等のスダジイ隣接の樹木については実施されませんでした。下図がスダジイの養生工完成後の画像です。
 
 
 
 境内北側の旧農業排水路に沿って地盤改良工事が実施されると共に、そこに工事中の排水路が設置されました。龍松枯死の第二の原因として考えられたのが、工事中の排水路を流れる水位が高いと定期観察会において樹木医殿より指摘されていたことです。下図は、指摘を受けた際の画像です。
 
  

 これは龍松に隣接するスダジイの根元からみた工事中の排水路の状況ですが、農業用水路時代に比べても水位が非常に高くなっています。この高い水位による根腐れが、考えられる第二の原因です。しかしながら、現場は工事区域内にあり、社務所において工事中の現場写真を365日とることもかなわぬため、枯死の因果関係を社務所独自で定量的に究明することは困難でした。以上を踏まえて、この二原因により、龍松の枯死に河川改修工事が影響している可能性は否定できない、というのが社務所側の結論であります。

 社務所では、この結論と共に、今回の経験を生かして、今後とも、重要木であります本殿真後ろのスダジイ等、工事区域に隣接する樹木、とりわけ指定文化財への風害等を防止する高木の保育に配慮して工事を行っていただくように、河川改修事業官庁に要望として伝えました。それらにもとづき、隣接の河川改修工事業者の協力のもと、本日の龍松の切払作業にいたりました。
 以上、経緯説明をさせていただきましたが、崇敬者各位には当社の河川改修事業への対応にひきつづきご理解、ご支援の程お願いいたします。

 
author:bairinnet, category:鎮守の森と河川改修, 14:50
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