RSS | ATOM | SEARCH
雷調査団の指摘とフレミングの左手の法則

 紅梅につづいて白梅も咲きそろった過日、文化財の雷被害調査団の一行が来社しました。下図は国指定文化財の神門からみた白梅です。



同じく国指定文化財の当社社殿には棟屋根に避雷針が設置されていますが、そこから接地面までの避雷線の取り方がまずいとの指摘をうけました。指摘されているカ所は以下のように避雷線が輪をかいたようになっているところでした。



落雷によって大きな電流が避雷線に流れます。すると、避雷線に磁場が発生し、この電流と磁場との相互作用により電磁力が発生します。この様を示すのが「フレミングの左手の法則」です。左手の中指と人差し指と親指を、三次元空間にて、それぞれ直角になるようにしてみたときの、中指が電流の向きに、人差し指が磁界の向きに、親指が電磁力の向きを示しています。上図のように、輪をかいていますと、電磁力の強さはより強くなります。もし、こうした状態で落雷にあいますと、高い電磁界に木質系建物がさらされますと建物の損傷をおこしかねません。それゆえ、避雷針から接地面までの線は出来るだけ最短距離にてとるようにしなければならいということを雷調査団より指摘された次第です。幸い、この近くには高木が何本もありますので、社殿を落雷から防いでくれていて、これまで被害がなかったのではないかとのことです。

 

author:bairinnet, category:科学に親しむ, 17:03
-, -, - -