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森村誠一氏を偲んで

 森村誠一氏といえば著名な推理小説作家として有名ですが、知る人ぞ知る「写真俳句の提唱者」です。図1は、毎年募集しています「小松ビジュアル俳句コンテスト」の今年(第11回)の募集チラシです。

 

 

小松ビジュアル俳句コンテストは5部門にわかれて作品を募集していますが、そのうち3部門の選者名を記したのが図2です。ここに、森村誠一(作家・写真俳句提唱者)とあります。そうです。ビジュアル俳句の提唱者が森村誠一氏なのです。

 

 

 

 森村誠一氏が『森村誠一の写真俳句のすすめ』を出版されたのが2005年、その7年後の2012年に「小松ビジュアル俳句コンテスト」の第一回が開催されました。このコンテストには、高校生以下の投稿を対象にした「能順の部」があります。能順とは当社の初代別当を務めた近世連歌の大家といわれる方で、芭蕉も奥の細道の途中に能順を訪ねてきたといわれている方です。

 

 小松ビジュアル俳句コンテストが誕生する3年前の2009年七夕前日に、森村誠一氏が能順の住まいした梅林院旧跡を角川春樹事務所の方とご一緒に訪ねてこられました。能順師は「脩竹斎」とも号しましたが、梅林院竹林には高い竹があるのをご覧になってくつろいだ時に即興で詠んだ句「竹林の奥の香集め 茶を分けぬ」の色紙をもってのにこやかなお姿が印象的でした。7月の和名は「文月」ですから、文芸にもゆかりの月です。当社にお参りされた時も七夕の時でしたが、先月、その文月24日に90歳にて逝去されました。なつかしいお姿を想い、氏のご冥福とビジュアル俳句の一層の継承を祈念して記念投稿といたします。

 

author:bairinnet, category:所感, 08:28
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トランプ大統領就任時の暴風

 平成29120日は24節気の大寒の日でしたが、この日の深夜にトランプ大統領の就任式典がテレビで放映されました。式典は日本時間の午後11時半より開始され、就任宣誓は21日午前2時頃でした。この前後から、私どもの小松付近には春雷が鳴り響き、強い北風が吹き荒れました。今年の干支は丁酉(ひのととり)歳ですが、丁(ひのと)の字の横棒は従前からの方向づけや態勢の継続を、横棒の下にあるのは、それへの反対勢力の台頭をあらわすといわれます。まさしく、トランプ大統領の登場は従来からの常識(例:自由貿易体制の護持)をくつがえす一大勢力(自国第一の保護貿易主義)の登場を画するものといえます。その就任式典時に私ども(だけではないでしょうが)の郷土には北風が吹き荒れました。多くの方が、深夜の風音に目をさまして窓外をみやったのではないでしょうか。

 明け方の境内を見回りますと、北側に生い立つこんもりしたスダジイ大木が北風の猛威を防いだお陰で社殿にも被害が見当たりませんでした。ただ、梅園の片隅に生い立つ楠木の大木の大枝が折れて倒伏していました。やはり境内でもとりわけ背が高く、枝が伸びていたため、北風の猛威に耐えられなかったためでしょうが、幸い、まわりの建物には被害なく、樹幹にも被害がありませんでした。下図は、生い立つ楠木(赤印が折れた箇所)と倒伏した太枝の状況です。


 

 

 干支の話に戻りますと、今年の干支「丁酉」の酉の字は、お酒を醸造する容器をあらわす象形文字を表し、転じて物事を成すを意味するといわれます。

 トランプ政権の登場は我が国に大きな影響を及ぼしうるでしょうが、願わくば、国や郷土の生活の根幹を保持しつつ、バランスを欠いた枝葉をおとして、態勢を整え、新たな時代の流れに順応しつつ郷土の発展につなげていきたいものです。

幸いにも倒伏した大枝の側にある白梅の小木には被害なく、蕾がふくらんでいました。

 

author:bairinnet, category:所感, 20:02
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嵐山光三郎さんの取材記事を読んで願うこと

作家の嵐山光三郎さんは、石川県の地元紙に「嵐山光三郎ぶらり旅」という毎週月曜日に連載記事をかかれている。本日発行の紙面には「加賀の梅(金沢市、小松市)」と題する取材記事が掲載されている。嵐山さんが当社に取材にこられたのは、3月11日、しかも、東北地方太平洋沖地震の起きた頃であった。当社梅園が菅公の「東風ふかばにおいおこせよ梅の花あるじなしとて春な忘れそ」にちなんで社殿東庭に育成されていることの説明を同行の方から聞きながら梅園を眺めておられた時のことを思ってのことだったでしょう。大地震と大津波で原子力発電所があぶないと知った時の感想を書かれている。東風ふかばとはいっておられない。東風がふけばこちらにも放射性物質が飛んでくる。。。。
 東風ふかばの「東風」とは春到来の象徴といえます。その意味では、今年の春は例年にくらべて遅く、今週は多くの学校で入学式が行われますが、入学式につきものの桜の花はいまだ咲きそうにありません。しかも、例年3月25日の当社春祭りに向けて咲く白梅は今が見頃となっています。下図は神門脇の白梅の様子です。

東風ではなく西風がふいてくれば、嵐山さんの書かれているように太平洋の海へ逃げてくれます。「道真公が西風をおこして放射線汚染を封じたのだ、と思った」と嵐山さんは記事に書かれています。冬は西高東低の気圧配置のため北西風が卓越しますが、春になると気圧配置が変化し風向きも変化しやすくなります。このように考えますと、今年は3月下旬まで小雪がふり、春の遅いのは、原子力発電所からの環境中の放射線排出を一刻も早く封じ込めるための時間を与えて下さったとも考えられます。現場の関係者各位にはあらん限りの智恵と細心の注意力と連帯心で復興の足かせとなっているこの放射線排出を封じ込めていただきたいと願うばかりです。それとともに、新学期のはじまる教育機関、特に、高等教育期間各位にはこうした非常時に実力を発揮しうる力量を学生諸氏が身につけていただけるような教育実施をも願うばかりです。



author:bairinnet, category:所感, 07:17
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